SSD材はなぜJAS材なのか2 (遠赤外線輻射熱効果、芯去り製材)

2017/08/11

 

住宅建材でもありますSSD材が

 

日本農林規格機械等級区分構造用製材品であります理由につきまして

 

前回の続きとなっております

 

 

 

 

(今回初めてご覧の方は、先に前回8月7日のブログ

 

さらにその前段の6月12日のブログから順番にご覧ください)

 

 

球磨杉などの樹木は、成長に伴い樹木にかかる外力(重力や風力)に対抗するため

 

その中心部を主体としてリグニンという

 

高分子の補強材で強化した「木質」を形成し

 

その内部に応力を有しています

 

 

 

 

これら樹木の原木をそのまま乾燥させますと、内部に残された応力によって

 

その後の木材の乾燥につれて、木材に割れや曲がりが生じます

 

 

このような木を使って、中心部にある芯を含めない「芯去り製材」をいたしますと

 

反りや曲がりが生じるため、修正曳きが繰り返し必要となり

 

その結果高コストの製材品となりますことから

 

これまでは、主に芯部を含めた「芯持ち製材品」が製造されておりました

 

 

一方弊社では、通常使用される水蒸気に代えまして

 

水蒸気の12倍の遠赤外線輻射熱効果を有する燻煙ガスを電子制御にて活用し

 

湿潤状態の原木の中心部にまでしっかりと熱を加えることにより

 

最初の段階で木材内部の応力を緩和しておりますために

 

これまでは行えなかった「芯去り製材」が可能となりました

 

 

 

 

熱処理後の木材の部位別の強度分布につきましては

 

木材の中心部よりも木材の外周部の強度が大きいため

 

木材の芯の部分を含まない「芯去り製材品」は

 

これまでの「芯持ち製材品」に比べて高い強度を確保

 

できることとなりました

 

 

一方で、植栽密度が低く、降雨量が多い九州材であるため材の成長が早く

 

また、原木価格が高価でない大径木を使用できる上に

 

歩留りの良い「芯去り製材品」であるため

 

これら製材品の現実的価格でのご提供も可能となりました

 

 

 

以上のように

 

強度のある品種と特殊熱処理方法が可能とした「芯去り製材」により

 

日本農林規格機械等級区分構造用製材品を現実的価格にて

 

お届けできるようになりました

 

 

技術の革新を、皆様の日々の生活でお感じいただけましたら幸いです

 

 

 

 

SSD(SSD材)プロジェクトメンバー

 

 

 

 

 

 

 

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